春の花
道端や野原、草原など至る所でよく見られる花で、春から初夏にかけ、菊のような黄色い花を咲かせ、白い綿毛のぼんぼりを見れば、子供でもタンポポと言うくらいよく知られた花です。
タンポポの名の由来は、花後の姿が綿球の「タンポ」に似ていることや、花茎を切り出し両側を細かく切り裂いて水に付けると「鼓」の様に反り返り、鼓のタン・ポン・ポンという音の連想から という説などがあります。
花が終わると茎は一旦倒れ、数日後再び立ち上がって、花を付けていたときより高く伸び、綿毛の付いた種子を作り、湿度が低い天気の良い日に綿毛を球状に展開して風に乗せて遠くへ種子を飛ばします。
タンポポはキク科タンポポ属の総称で、その種類は多く、カントウタンポポ、エゾタンポポ、カンサイタンポポ、シロバナタンポポ、セイヨウタンポポ、アカミタンポポなど細分化すると切りが無いくらいになります。
ここでは、せめて在来のタンポポと外来の西洋タンポポの違いが分かればと言うことで説明しています。
花の違いでは、在来種は花の下にある総苞片が反り返らず包むようになっています。また、花の時期は春だけです。
外来種のセイヨウタンポポは総苞片が反り返り、花の時期は春だけに限らず条件さえ揃えば夏・秋、何時でも咲きます。
在来種の種は地上に落下しても秋になるまで発芽しない性質を持っています。在来種が春しか花を咲かさない理由は、夏草が生い茂る前に花を咲かせ種子を飛ばしてしまい、夏草が枯れる頃に芽吹き葉を広げて越冬するという、日本の自然に合わせた生存戦略を持っています。 一方の外来種は生育可能場所が多く、他の個体と花粉を交雑しなくても種子が出来るため
繁殖力は非常に高いが、種が小さく芽生えの苗も小さく他の植物との競争では不利という弱点も持っています。そのため草刈りが頻繁に行われ他の植物との競争が少ない人間の管理地などではよく増えて育ちます。
在来種は外来種(西洋タンポポ)よりも種が少なく一つ一つが大きく重いので遠くへは飛びにくい、一方の外来種は種が小さく多く、軽いので遠くまで飛び分布を広げることが出来ます。
在来種のシロバナタンポポ
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